どうして涙が出るのかな

どうして涙が出るのかな

早川仁志(森川智之)×泉谷明雄(檜山修之)・小栗(高木渉)他
 
ちくしょう甘酸っぺーな!(笑)タイトルどおり、まあ二人ともべそべそべそべそよく泣くんだw 言葉がうまくない人たちなので、足りない言葉が目から溢れて。いろんな涙が一杯詰まっております。

お話は、中学時代から微妙な距離で、付き合っているような付き合ってないような、じれったい時間を重ねて、その間にちょっとずつ、気持ちがつながっていって。大人になってようやく仲良しになるという。その期間13年間。まぁ歯がゆい歯がゆいw でもそのちょっとずつ進む感じが、すごくかわいいお話。

まるで事故のように惚れられちゃった泉谷が、早川を受け入れるまでの話なんだけども。また早川がさ、好きだ好きだと迫るわりにはヘタレでなあ。自分の気持ちは揺らがないんだけど、相手の気持ちにひどく怯えていて。ことあるごとに逃げちゃうんだよね。物理的に。気持ちのぶつけどころを見失い続ける泉谷は、じりじりと早川との関係を考え続ける羽目になり。心の中に、不安定な塊を抱え続けることになってしまう。困惑が苛立ちに変わり、苛立ちから妙に相手を意識することになり、意識している自分を見つめれば、気持ちは結局ひとつで。泉谷はいつでもケリをつけたいのだけど、早川が全力で逃げまくるのだ。うんうん、片思いは甘美で楽だよね。本気で必死だし迷うし、悩むし舞い上がるし。大変は大変なんだけどさ。でも、決定的に傷つくのは、いつだって相手に相対したときだけだ。

早川はすごく自分を鎧っている人で、そこを泉谷がとっ捕まえてこじ開けて。そうやって本音らしきものをチラ見せした途端、物理的に逃げてしまう。大半が不可抗力っていうことにはなってる。けど、多分。不可抗力で離れることになるたびに、早川はほっとしてる。答えを先延ばしにすれば、決定的に失うことはないしね。

まあでも、逃げられ続ける泉谷にとってはいい迷惑だ。会うたびに、早川は自分に「好き」と言う。それがいい加減な気持ちじゃないことは、切実に伝わってくる。伝わってくるのに、応えようと思うたびに早川は消えてしまう。一方的な思いだけを突きつけて。
泉谷は本当にイイ奴で、何度も重なる短い逢瀬で、気持ちをどうにか伝えようとする。でも伝わると、早川は消えちゃうんだもんなー。リアクションしたからにはその反応は欲しいじゃないですか。だけど早川は、泣き顔だけを残して何度も消えてしまうのだった。

理不尽な別れを繰り返して、とうとう泉谷もキレます。お前がそのつもりならこっちも逃げてやるとばかりに距離を置き。ようやく気持ちの整理がついたかなーって頃に、やっぱりまた出会ってしまうのだった。

でもまあ、成長して。ようやく、ようやくだ、お互いの気持ちを捕まえることが出来て。よかったよね、ほんとに。泉谷も、今までの意趣返しに焦らしちゃったりするんだけどさw なにをって? そりゃあ、ねえ?

「俺が出来ることならなんかしてやろうかって気になっちゃって」という泉谷がかわいいよう。好きしか言えなくて泉谷にツッコまれてる早川もかわいいし。もうずっとにやにやにやにやしながら聞いてました。甘酸っぱいよー。

うむ。好きな話なので、ずっと感想書きたかったんだよね。だけどなんだろ、ずっと上手くまとまらなくて。台詞の字面だけ追えば、単純に段階を踏んでるっぽいんだけど。声を聞くと、別れが単に不可抗力に聞こえなくて、同じところでぐるぐるしているように聞こえるんだ。関係はじりじり進んでる風なのよ? でも音で聴くと、気持ちのくっついたり離れたりが結構な振幅で繰り返されてるように聞こえる。なんだかすごく不思議。階段と反復横とびの違いな感じ?(伝わるかなあ)うーん、原作買おう。

受とか攻とか書かないのは、この話、いわゆるリバーシブルというやつで。刺しつ刺されつは互いにあったりします。肉体関係だけがそうなわけじゃなくて、本当に決められないのだ。まあ自分は元々逆カプも美味しくいただく性質なんで、抵抗は全然ないんだけども。全然決められない話を聴くのは初めてで、そこもなんだか不思議な感じ。

檜山さんの欠伸はいつ聴いてもかわいいな! 短気でお人よしでキャラ自体もすごくかわいけどさ。欠伸やばい。他のCDでも思うけど、このCDの17歳verの欠伸はたまらんのう。
後は全体的にべっそべそ泣いているので、それもかわいいですよん。この話は大半が檜山さんのモノローグで進むので、じっくりじっくり進む気持ちを堪能しました。「飛行機何時」から始まる一連のシーンはかっこよかったなー。
森川さんは高めの声でやっぱりかわいらしいんですけども、「どうせ、脱ぐし」がすごく好き。ようやく自分が泉谷を好きでいることを許せたんだなあって、すごく思った。
おぐちゃんこと高木さんもずっとかわいかったですよ。無邪気でなあ。

なんかもうみんなかわいくてさ、フリトの皆さんもすごく仲良さげでかわいくてさ。なんかこー、嬉しい気持ちになったCDでした。んふふ。