LOVE SONG 〜半分天使〜

キャスト:佐谷満(檜山修之)×遠藤智夏(緑川光)・ 目(サガン)伸一(林〈神奈〉延年)他

古いですよー。1995年作。なんだろな、色々拙いな。声優さんが若いのもだけど、演出とか脚本とか。すごく手探りっぽい。

お話は、親友だった智夏と満の関係が、智夏の告白によって変化し始めて。お互いの想いがつながったとき、智夏が一方的に別れを告げる。智夏に何が起きたのか? 満は智夏を取り戻すことが出来るのか? てなところです。

冒頭にも書きましたが、若いなー。緑川さんも檜山さんも20代だもんなー。緑川さんの声は若干金属質。檜山さんも地声っぽいのに若干高い感じかな。
言葉が古いのはまあしょうがない。ただ、演出がね。ラブシーンにBGMがないのがこんなに恥ずかしいとは(笑)なんも過激なことないんだけどなー。満はどこまでも優しいし、智夏も初々しい。ベッドの軋み音がパイプ椅子みたいで笑ったけどw あと、声が近いw音のボリュームの問題じゃないと思うんだけど、どうだろ。なんかね、会話してる二人の真ん中に頭がある感じ。それでエチシーンはちょっと死ねるw気恥ずかしくて。
あと、脚本が。なんだろ、地の文を全部台詞に起こしましたみたいな。皆さん長台詞乙。ラストシーンはいいシーンなんだと思うんですが。見えてくる場面としては、演劇の舞台のラスト、役者さんが直立で観客の方を向いて、テーマらしきものを語りかけるシーンがあるじゃないですか。なんだかそんな雰囲気になっちゃっててw 屋上で二人きりじゃなかったっけ?? あれれ? と。
それと、智夏の救出劇以降のストーリーを全部台詞で説明されてしまい。(モノローグですらないのだよ)あああ、聴きたかったよ、智夏のために自ら腕を折る満を聴きたかったよー(涙)あと、あとね。目(さがんと読むのだそうだ)の家で飼い殺しになってる智夏のアレコレも聴きたかったよー。

拙いけど丁寧なつくりではあるのだ。手抜きじゃなくて、勝手が判らないという感じ。主役二人の感情の流れが丁寧なので、別れのシーンも、満の逡巡のシーンも、救出劇での告白も、胸に迫る。学校での二人のやり取りも無邪気でほほえましいし。それだけに、いろいろ残念だなー。2枚組でリメイク希望! なんつってw はしょったシーンをきちんとやれば、なかなか聴き応えありそうなんだけどなー。

緑川さんは美人な感じで。設定には美形でモテモテとあるけど、誇張されてないので普通の高校生っぽく。きゃっきゃふざけてるところから一転、真顔になって告白するところとか、表情が見えるよう。揺れる感情がきらきらと、やっぱり華のある声だなあ。とろんと「好きだよ」って囁かれたら、満じゃなくても惚れるw
檜山さんは、若干力みを感じるものの、真面目で優しい好青年を好演。優しくじゃれてるときもいいんだけど、本領は判れを告げられてからかなあ。突然の絶縁宣言に面食らって、思わず怒鳴っちゃうシーンやら、救出劇の真摯で熱っぽい声とか。智夏を見失って、友人相手に心情を吐露するシーンもいいなー。
智夏を陥れる目には、林(神奈)延年さん。なんかもったいない出方だったなあ。智夏との絡みで、いっぱい見せ場があったと思うのにな。冷酷なヒドい男で、その場面は全然ないんだけど、智夏の心が瀕死になるまでいたぶったんだろうなーと感じさせる冷たさ。聴きたかったよー。もったいねぇ。

ぬぬう。完成度はいまいちなんだけど、ちゃんと作れば絶対面白いと感じさせるだけに、ものすごく残念な気持ち。リメイク希望〜。