王様な奴隷

王様な奴隷
キャスト:森永優(檜山修之)×江崎貴文(保志総一朗)他

うむ。これは受が朴念仁な話なのだな。江崎に森永って名前からして甘いな(笑)

お話は、いっつも優しくて、何でも言うこと聞いてくれてた攻が告白をきっかけに豹変、今度は我儘放題で。どうしよう、だけど今更嫌いになんかなれるわけないじゃん! なんだよバカバカ! って感じです。

受が朴念仁なら、攻はデレツンだ。攻のデレツン怖いようw うまく受け止めてもらえないからって、要求ばかりがエスカレートするよ。

きっかけは告白だった。受け止めてもらえなかった気持ちが、宙に浮いて拗ねちゃった森永は、復讐めいた意地悪を開始する。
自分が優しいことに、何の疑問も抱かなかった江崎。当たり前のようにぶつけられる無自覚な甘えが、「判ってない」っていう苛立ちに変わる。無邪気な好意が、自分の下心に突き刺さる。だから、下心全開にしてみちゃったりしたんだぜ、みたいな。

でも、下心だけをぶつけてもやっぱりうまくいかないのだ。半分脅すみたいに突き放せば江崎は言うことを聞いてくれるけど。どうしてそんなことをするのかには全然気づいてくれない。突き放す。追ってくる。でも、欲しいものには気づいてくれない。優しくしても、突き放しても、欲しいものをくれないならどうすればいい? 気づかせるには、どうすれば。

江崎はずっと、森永に振り回されていて、自分の気持ちが判らない。森永に対する執着と、それが森永に対する好意であるということが、自分の中で結びつかなくて。友達だったのに。あと、子分だったのに? 森永の意地悪に屈服するのがイヤで。なぜ屈服するのかを、森永のせいにする。森永のせいにしている間は、自分の気持ちには気づけないのだ。森永的には作戦失敗だよなー。

一応いくつか。江崎は簡単な問題を必要以上にややこしく考えてしまう性格である、という提示がされています。たとえば、数学の問題とか。公式に当てはめれば簡単なことなのに、独自理論を展開してしまうが故に間違える。さて。二人の間の公式とはなんでしょう?
最初の時点で提示されていたその公式は、江崎らしく紆余曲折を経て、ようやく覚えてもらえたのでした。

告白を受け止めてもらえなくて、なのに我儘を言う江崎に対して豹変した森永が怖いw 怖い檜山さんは怖いなあ。がっついてる檜山さんはがっついてるし、くっついたあとの甘い声は甘い。演じてるから当然なんですけど、それぞれがピーキーでなあ。江崎乙。そりゃ混乱もするさ。余裕ぶって江崎を翻弄してはいるんだけど。思い通りにならない江崎の反応に傷ついてる風でもあって、そんなところも好き。
保志さんはいい振り回されっぷりでございました。泣いたり拗ねたり怯えたり忙しい役なのでね。こちらもレッドゾーンを振り切った感じの、元気な少年でした。

そだ、そういや演出もピーキーというか、音があっちこっちから聞こえてくるつくりで。森永が江崎を抱きしめてですね、耳元でどんな風に好きかを囁くシーンでは、なんだかほんとに肩の上に森永の顔が乗っかってるような気がしてね、ものっそ照れました。てへへ。

フリトが面白いです。同じ事務所の仲間ばっかりってことで、和気藹々とヒドいツッコミしまくりでw 殴り愛?(笑)