抱きしめたい

キャスト:矢ヶ崎弘行(檜山修之)×岡田榛名(緑川光)他

だああ! どーしよかわいい……。緑川さんからなんか出てる。フェロモンとかそういう俗っぽいものではなく。この後30行くらい描写しまくりたいくらい芳しい何かが出ている。いや、そんなに描写できる力量はないけど。ああもう、心臓に悪い……。

お話はですね。宝塚スターそっくりな美形でモテまくりな榛名と、その榛名にマジ惚れしたた矢ヶ崎の、甘酸っぱい恋物語。もしくは、榛名が生まれなおす話。


榛名は、どうにも他人に関心が薄い人で。モテまくりでカノジョをとっかえひっかえだったクセに、そのほとんどを覚えていない。関心が薄いのは人に限らず、モノにも執着がないようで。当然、自分自身にも興味がない。何かに関心を向けるということ自体、知らないようでもある。
それが、矢ヶ崎と出会うことで初めて「他人」と出会うのだ。他人と出会った自分自身とも、これで初めて向き合うことになる。
春名にとって、矢ヶ崎の好意は心地よかった。始めは、何か面白いと感じるだけだったけれど、次第にかけがえのないものになってゆく。そのかけがえのなさに、リクツじゃなくて肉体が反応する。いや、エロじゃなくてね。矢ヶ崎の昔のカノジョの写真に、思わず落書きしちゃったりとか。誤解から矢ヶ崎に別れを告げられたとき、知らぬ間に涙がこぼれたりとか。
矢ヶ崎と触れ合うことで、見知らぬ自分と出会う。榛名はそれが楽しくて、嬉しくてしょうがないのだ。矢ヶ崎の愛に包まれて、榛名は自分を育んでいく。

矢ヶ崎は、少しヘタレなところはあるけども、普通の男の子。ただまっすぐに榛名が好きで。榛名の反応に戸惑いはするけれど、結局は榛名のことしか考えていない。柔らかく、暖かく。榛名が自分と出会うのを、ずっと見守っている。恋はいろんな感情を引っ張り出すもので、時にはそれが怖くなったりするものだけれど。矢ヶ崎の視線がずっと暖かいので、榛名は恐れずに、その未知の感情を受け入れることができるのだった。

ストーリーとしては、なんてことないです。ただ出会って、ゆっくり仲良くなっていくだけで。そのテのシーンもほとんどないし、キスだって触れ合うだけの描写しかないし。けどね、なんかこー榛名のわくわくしてる気持ちがすごいかわいいんだー。無論、振り回されておろおろする矢ヶ崎も可愛いんだぜ。

緑川さんは冒頭に書いたとおり。なんか筆舌に尽くしがたいほどかーわいいです。榛名の揺れる感情をみずみずしく演じておられます。榛名が自分でも意外なほど矢ヶ崎が好きなことに気づく、涙のシーンでは。自分の胸の痛みに気づいて嗚咽が変わるとこがすごいなーと。
檜山さんは全体的にヘタレなんですけども。矢ヶ崎が榛名曰く「一生懸命が服着たような」人なので、そんな感じで。榛名の感情の動きはわりとまったりしてるんですけども、矢ヶ崎は振り回されて上がったり下がったりするんでね、その、あわあわした感じがすごく可愛いです。あ、そだ、各章の冒頭に章タイトルのナレーションが入るんですけど、そこがかっこいいス。檜山さんのナレってどんなかな。らいむいろ見てみるかなあ。

実は全編関西弁です。はは、うんまあ、ぎこちないですw でも、感情がガンガン入り込んでくるので、そのうちどうでもよくなります。なんかつい、キャラと一緒に呼吸しちゃう。同じタイミングで吹き出したりして。

楽しかったです。幸せをありがとう。二人ともすごいかわいかったw