勇者特急マイトガイン #8

第8話 納豆に手を出すな!

さてと、敏樹様です。いやなんつか、パーティーとかの"らしい"パーツはともかく、「敵が納豆を憎んで殲滅しに来る」という荒唐無稽をやるためにはこんなに説明が必要なんだなあと思いました。マイトガインが憎かったり、世界を征服したかったりだったら特に説明いらんもんな。アバンもバンクじゃなくて説明に使いましたよ。

今回の敵はカトリーヌ・ビトン。単に庶民的な食い物がイヤっていうわけではなく、新入りのお抱え料理人がうっかり納豆を落としたせいで、恥をかいたんだそうです。料理人が買って来てるということは、それまではビトン邸では納豆食ってたってことだよなー。納豆を踏んづけてすっ転んだビトンは、全ての納豆に復讐を誓います。納豆好きを片っ端から捕まえて、納豆地獄に落としたり。納豆工場を破壊したり。なんとなく手口が戦隊のかほり。


そんな中、裕次郎じいさんは誕生パーティーを開いています。宴会の料理として供されるのは、納豆。じーさんは無類の納豆好きでした。何人かお偉いさんが列席させられていましたが、納豆のフルコース、というか、ほぼ聞き納豆に近い状態のに呼ばれてもあまり嬉しくなさそうです。しかも毎月やってるんだそうで。月命日ならぬ毎月誕生会。オカネモチハタイヘンデスネ。

舞人さんは、そんな誕生会はざっくりサボって納豆工場の警備に出かけていました。もちろんサリーたんはバイトで納豆をパックに詰めています。そしてもちろん、ビトンの操るロボ、フロマージュも現れます。しかし。サリーのピンチは救ったものの、マイトガインは大苦戦。フロマージュに歯が立たず、一度は負けてしまいます。舞人さんも意識を失い、入院する羽目に。どうでもいいことですが、気絶ってエロいよね。

さて、舞人さんが目覚めたのは病院でした。そこで驚愕の事実を知ります。ビトンは既に日本中の納豆工場を破壊しつくし、納豆の値段が高騰していたのです。1パック50万円。そんな値段の納豆を買えるのは裕次郎じーさんくらいしかおるまいに。てゆか何日寝てたんだ舞人。あるいはビトンの機動力がすさまじいのか。……後者かな。なぜなら、愛しのサリーたんは病室の外でずっと舞人の意識が戻るのを待っていたので。サリーたんは病室から漏れ聞こえる歓声で舞人の無事を知ると、そっと花束を残して去っていったのでした。会いに行けば舞人も喜んだだろうに、というツッコミは野暮だな。
そういえば、舞人さんは納豆の危機に際して中国からの輸入を指示していました。大丈夫なのか中国産。まあ、遠い未来のお話ですからね、大丈夫なんでしょうきっと。

そんなわけで納豆が入手できなくなってしまったので。黙っていられないジジイが一人。裕次郎じーさんです。じーさんは食べる宝石と化した納豆を手に入れるため、危険な取引に一人で赴きます。シーンとしては、麻薬取引なんかのアレですね。スーツケースいっぱいの納豆を手に入れたじーさんは、その場でもぐもぐ。バカ、納豆は匂うんだから気づかれる……っ! 案の定、ビトンが配置した納豆殲滅部隊にとっ捕まってしまいます。舞人さんが駆けつけるも、時既に遅し。しかし、さすがはじーさんです。納豆を道標代わりに一粒ずつ落としていったのでした。ヘンゼルとグレーテルだと鳥に食われちまいますが、鳥は納豆食べないのかな。
「納豆を追っていけばたどり着ける!」
気合を入れる舞人さん。確かにその通りなんですが、字面可笑しいよw 前回とは打って変わってゴージャスなビトンのアジトに、潜入成功しました。
納豆地獄に囚われたじーさんを発見した舞人さん。一応ここで納豆地獄を説明すると、頚木につながれて口から納豆を流し込まれたり、血の池ならぬ納豆池に沈められたり、流れ落ちてくる納豆の滝を這い上がらないと針山に突き落とされたりするんです。ううう。納豆は食うから旨いんであって、浸かるのはだいぶイヤ。けれども、先ごろの納豆の入手困難で納豆に飢えまくってたじーさんは、納豆池でご満悦です。助けに来た舞人にも「ヤダ」とか言いやがりますよ。 
あわや納豆池に突き落とされそうになった舞人さんですが、そこは華麗に。池に嵌っている人の頭を飛び石代わりにして、敵の部下を倒しました。いろんな意味で容赦ねえ。

おのれー、と黙っていないのはビトンさんです。ロボ戦もやらないといかんし。フロマージュは強いので、マイトガイン・ボンバーズ・ダイバーズが力を合わせて戦います。遠距離攻撃を連続で繰り出す辺りもなんとなく戦隊のかほり。しかし、いずれの攻撃も届かず、またもや大苦戦。わあ、マイトガインたらタンクローリーがいっぱい乗ってる高速道路を壊しちゃったよ。ヤバくね? いえいえ、これが伏線なのです。フロマージュが先刻マイトガインを倒した必殺の武器を繰り出すと、踏ん張ろうとした足元に大破したタンクローリーから流れ出た納豆が! 哀れビトンは、自身がトラウマになったのと同じシチュエイションで自爆してしまうのでした。
「だから納豆はキケンだっていうのよーぅ!」
美しいビトンには不似合いな、納豆が降り注ぐ中での断末魔でした。(死んでません)これに懲りたら納豆とは仲良くするんだよ。怖いからね。

いや、なんかものすごくみっしりな感じの話でした。実質20分あまりでよくもまあ。欲を言えば、病院で倒れている舞人さんをもうちょっと堪能したかったです。