勇者特急マイトガイン #16

第16話「ブラックガイン」

うぉおんブラックガイーン!(涙)なんだお前こんなに萌えキャラだったのか。1話限りじゃもったいないぜ。。
というわけで、脚本・井上敏樹の第2弾でございます。前回は飛び道具満載でしたが、今回はど真ん中できましたよ。納豆のときも思いましたが、やっぱこの人職人なんだな。いや、特撮だとさ、飛び道具ばかりが目立つけど。今回も、ブラックガインという素材に対して過不足ない組み立てです。美しい……。早口言葉に涙することになるとは思いませんでしたが。
いつもはこんなことは書かないんですが、いつもどおりばりばりのネタバレなので、視聴予定で感動を逃したくない方は読まないほうがいいかも。


お話は。早速ホイさんのところのロボが暴れています。どーでもよさげな雑魚いデザインです。街でロボットが暴れているとなれば、駆けつけるのがマイトガイン。マイトガインも言うてますね。「たいしたことなさそうだな」と。言葉どおりにあっさり片付けましたが、ホイさんはしたり顔です。それもそのはず、雑魚ロボはマイトガインのデータを盗むためのデコイだったのです。本命は、マイトガインの体内に忍び込ませたゴキブリロボ。超AIの秘密をまるっと盗んでいきますよ。勇者特急隊はホイさんとこに対しては隙だらけだな。
そうして完成したのがブラックガインです。色は黒いですが、ガインの完コピ品。どこまで完コピかは後に明らかになりますが、「来臨! ブラックガイン!」の掛け声もキマっています。ホイさんたちは大喜び。さっそく悪巧みを始めます。

一方舞人さんは、また青戸の工場を訪れて、ボンバーズたちを見舞っています。工場長、先週と言ってることが違うぜ。ボンバーズの修理は難航してるって。切なげに三体を見上げる舞人さん。三体の名前を呼ぶ声がいい声だぜ。ああ、この感じで先週見たかったよ、とも思ったんですが、もう一度この描写を入れたのには意味があるんだろうなきっと。

さて、ホイさんたちの悪巧みはというと。ネオ新幹線?の鉄橋に爆弾を仕掛けていますよ。今週のサリーたんは新幹線内での売り子です。サリーあるところに事件あり。サリーたんの乗る新幹線が鉄橋に差し掛かると、ホイの爆弾が火を噴きます。緊急出動する舞人とガイン。その救助作業中に、ブラックガインが現れたのでした。
いけいけやっちまえーとブラックガインをけしかけるホイさん。ゆっくりと、鉄橋を支えて動けないガインに近寄るブラックガイン。舞人さんたちが戦慄したとき、ブラックガインが掴んだのは崩れた鉄橋のほうでした。驚く一同に、ブラックガインは答えます。「俺は正義のロボットだ!」ホイさんはマイトガインの超AIの正義の心までコピーしちゃったんですねー。

CM明けでは早速、ブラックとガインは同居しています。まあ敏樹様だし。仲良くスパーリングをしながら、ガインはお兄ちゃん気取りです。すっかり仲良しな二体を見つめて、舞人さんたちもニコニコ。青木さんの駄洒落も挟みつつ、浜田君が二体に早口言葉を言わせます。「特許許可する東京都特許許可局」だっけ? つか、ヌーベルトキオシティに名前を変えても早口言葉に東京都は残ってるんですね。さておき、難なくこなすガインとうまく言えないブラック。かーわーいーいー。一応ブラックはガインの完コピなはずですが、初起動時に雷に打たれたんで、そのせいでちょっと口ベタなんでしょう。「ブラックが仲間になってくれてよかった」と舞人さん。ボンバーズたちがやられて傷心でしたからね。棚ボタとはいえ仲間が増えるのは嬉しかったのだと思います。

ですが。タダより高いものはないのです。ホイさんたちも黙っちゃいませんよ。ホイさんてば、ただの完コピ品なのにブラックに対して「息子よ」とか言ってます。そうです、ブラックとガインは異父兄弟。父は息子を取り戻しにくるのです。
ホイさんたちが街で暴れ出し、舞人とガイン、そしてブラックは現場に向かいます。しかし、それこそが罠。街で暴れていたメカが、ブラックの顔に取り憑きます。仮面をつけられたブラックの目は赤く光り。正義の心を奪われてしまうのです。
「目を覚ませブラック! やめるんだ!」
お兄ちゃんはおろおろ。先刻まで二人でひとつと言い合うくらい仲良しだったのです。そのブラックを、殴れるはずがないのです。

「ガイン、合体だ!」
「し、しかし……」
「レーッツ! マーイトガーイン!」

間髪入れずかよ。舞人さん容赦ねえw テーマソングもきっちり流れて合体するのがなんか切ねえ。ところがぎっちょん、ホイさんたちは慌てません。「ホッホッホ、こちらも合体じゃ!」おおう、ロコモライザーもどきとマイトウイングもどきまで作ってやがったのか。

ホイ「黒い翼に殺意を乗せて、灯せ不幸の赤信号!」
チンジャ「悪者特急ブラックマイトガイン、定刻破って只今到着!」

君ら息ぴったりやね。マイトガインと違うところは、頭部にホイたちの飛行機がパイルダーオンするところです。マイトウイングもどきに乗ってなかったのはネタバレ回避でしょう。

合体しても、ガインはブラックを攻撃できません。舞人さんがお願いしますが、やっぱり無理なようです。殴られるままのマイトガイン。窮地の舞人さんはダイバーズとホーンボンバーも呼び出します。ああん舞人さん、お兄ちゃんの気持ちも判ってあげて! ここで一言欲しかった気がします。辛くても街を守らなくちゃ、とかなんとか。まあ、その無神経さもらしいといえばらしいかw
駆けつけたダイバーズたちは、お兄ちゃんの気持ちを知ってか知らずかブラックに対して容赦なしです。斬りかかってくるブラックに横からミサイル浴びせたりとか。形が形だけに、どっちが悪者か判らないぜ。先にダイバーズたちを倒すと言われてガインも覚悟を決めたのか、ブラックを動輪剣でばっさり。慌てたホイたちは、例の仮面メカで今度はマイトガインを乗っ取ろうとします。
「俺は……今まで一体……」
悪の仮面が外れたことで、ブラックは正義の心を取り戻しました。目覚めて目にした光景は、お兄ちゃんが襲われているところ。ブラックは合体を解いて飛び出します。そして、自らを操った仮面メカとともに自爆するのです。うう(涙)
慟哭するマイトガインの足元に転がるブラックの首。マイトガインはそれを拾い上げて見つめます。ブラックの頭部には、まだ意識がありました。
「これで……よかったんだよな……。とうきょうととっきょきょかきょ……く……」
うわあん(涙)あの唐突な早口言葉はこのためかよ! 敏樹の鬼! 悪魔!(ぉぃ さすがサディスティックな死に様に定評のある敏樹様です。
目の光が消えたブラックの頭部を抱えてうずくまるマイトガインは、泣いているようでした。舞人さんも悔しげに、ホイへの復讐を誓います。瞳に、涙を浮かべて。

うむ、ブラックガインがホイさんとこ製なのには納得した。そうかまるっとコピーかー。ウォルフガングさんはメカ屋のプライドにかけてそんなことはしないな。データを盗んだりブラックを乗っ取って操ったりもなるほどホイさんらしいです。

敏樹様贔屓なので言いますが、ちょっとロボ描写を張り切りすぎた感もあります。マイトガインの合体・ブラックマイトガインの合体・ダイバーズの合体と全部きっちりやったからなー。多分、その分零れ落ちた台詞がいくつかあったんじゃないかという気がします。サリーたんは車内販売の他にも、マイトガインがばっさり斬られる夢を見ていて、その夢と同じ構図でブラックマイトガインが斬られたりしているのですが、その件はノーフォローだったし。あらすじ描写では意図が見えなくて省いちゃいました。すごくいい話だっただけに、ちょっともったいない感じ。