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キャスト:福山智(鳥海浩輔)×仁賀奈正敏(飛田展男)・レヴィ(三宅健太)他

やー、面白かった! なんか1枚目の最後からずっとべそべそ泣きっぱなしだったw どっちのキャラの気持ちに同調しても痛いの痛くないのって。もうずっと、竹のノコギリかなんかで心をごりごりやられてるみたいな。。鈍くて忘れられない痛み。すげえなあ。

仁賀奈が枯れ果てているのは、歳のせいばかりじゃなくて。ずっと昔の初恋を胸に抱いたまま、育つことを拒絶していたからだ。乾いた場所に打ち捨てられた種のようなもので。小さいまま固く縮こまって、そのカタチを変えることがもう、怖くなっている。50歳まで初恋をこじらせた男なんてロクなもんじゃないw 伝える言葉が上手くない人は、以心伝心に過剰に期待する。だからいつも、大事なことを言いそびれる。
福山は福山で、仁賀奈にとってはたまたま通りかかって小便をひっかけていった犬のようなものだ。水分を与えられたから形は変わってしまう。尿は肥料だから育ってしまう。そのままでよかったのに、わんこは自分が芽吹かせてやったと喜んで、妙になついてしまったのだ。
互いが「〜してやった」と思ってる。仁賀奈は若い男の性欲に仕方なく付き合ってやってると思ってるし、福山は枯れたおっさんにイイ思いをさせてやってると思っている。お互いが少し相手を見下していて、その思惑は見事にすれ違っていて。想えば軋む。ぎりぎりと。その軋る音がずーっと聞こえていて、どうにもずーっと痛かったです。

何枚か木原さんのCDは聴いているけれど、思わず吹き出しちゃいそうな突飛なな設定のくせにそのキャラ造形にはすごい説得力があるんだよなあ。ピュアすぎてイビツな受と、真円に近いくらい出来すぎているが故に受けのイビツさがよく判らない攻と。そこで、攻が丸ごと受を包むんじゃなくて、円い刃で受けのイビツを削っちゃうのだ。削るから痛い。受が泣き叫んだり手負いになって噛み付いたりするほどに。すごく痛いんだけど、多分それはいいことなのだ。頑なにイビツでいるよりは。円かった攻も無傷ではいられなくて、受を削って傷ついた穴から、自分の中の空洞が見える。そのまま咀嚼するには固すぎる受を、食べやすい形に削ってからその空洞に飲み込もうとするんだよなあ。

なんかよく判んない文章になっていますがw 面白かったんですー。鳥海さんと飛田さんの迫真の演技も刺さりました。やーもーよかったよちゃんとくっついて。あそこまで行けば、仁賀奈も自分を引っぺがされるのがだんだん気持ちよくなるだろうなーw

レヴィの三宅さんはもうハマり役というかw ちょい前に鰤でイカすオカマを見たばっかりだしw ズケズケ言うけどあったかいママさんを好演しておられます。
面白かったー。面白かったけど2枚分きっちり集中したら頭くらくらする……w 体力もある程度ないとろくにCDも聴けねぇなあと思う妙齢の秋。