勇者特急マイトガイン #38

第38話「大江戸ランド独立宣言」

悪の組織の資金の話は通常あまり話題にならないものですが、マイトガインはしっかり追求します。ウォルフガングしかり、ホイ・コウ・ロウしかり。エグゼブさんも、こないだ巨大企業の社長さんなことが判明しましたね。……よく考えたらヌーベルトキオシティを始め一般庶民は一部の金持ちに翻弄されまくりなのか。うぬぬおのれ。おまえら金持ってんだからどこか島でも買ってそこでやれよー。


というわけで、大江戸ランドの経営者兼真の日本復興委員会会長であるショーグンミフネのところも、長引く戦いの中で資金が尽きたようです。まあね、ホイとかエグゼブとか、あと旋風寺財閥とか、よそは世界に轟く巨大企業ですが、ミフネのところはたかだかテーマパークひとつですからね、負けが込んでくれば蓄えも尽きます。ただ、悪の組織として勝つことがテーマパークの経営にどう反映されるのかはさっぱり判んないですけども。まあとにかく、出撃できるロボもないんじゃ話になりません。

起死回生の手段として、ミフネはとにかく人を集めろと言いました。そんなわけで、大江戸ランド無料開放デーです。食べ放題飲み放題コスプレし放題もついています。途端にランドは黒山の人だかり。まあ、そんなもんですよね。……ところで舞人さん、あなたがいるのはどういうわけですか? 金持ちなんだからわざわざ無料開放デーに来るなよ。そういう日は庶民に譲っておこうよ。裕次郎じーさんも浮かれて団子食いまくりとかさ、今このテーマパークの経営者は、確実にあなたより貧乏ですよ? まあ、来てないと話にならないので、しょうがないのですがw
どこも満席、みっしりと人まみれになった大江戸ランドを眺め、ミフネは次の作戦を実行します。ミフネが号令をかけると、ランドの周辺にぐるりと塀が立ち上がりました。当然観光客は閉じ込められています。その状態で、ミフネは高らかに宣言するのです。「大江戸ランドは独立する」と。なーるほど、ミフネはずっと一国一城の主になりたがっていました。テーマパークとはいえ国もある、城もある、部下もいる。足りないのは国民だったと、そういうわけですね。
「うぬらは我が国最初の国民じゃ、ありがたく思え」とミフネ。目的は財政難の立て直しなので、税として私有財産は没収とか、囲い込んだ周辺地域の家を潰して田畑にし、そこで働きやがれとか、ものすごく無茶を言い出します。「自給自足、これが正しい日本の姿……」一理ある気もしますが、いきなり囲い込まれた観光客には独裁ごっこに付き合う義理はないのです。困惑が広がる中、舞人さんが動きました。呼ぶのは当然勇者特急隊。しかし、大江戸ランドを囲んだ塀には武器やバリアが仕込まれていて、外部からの侵入は不可能でした。困った舞人さんの次の作戦とは。
「独立反対!」「税金反対!」「ミフネはやめろ!」
じーさんが民を扇動し、一揆を起こしたのです。わぁ、人望ないなミフネ。まあ、当然なんですけども。そして、その混乱に乗じて城内に忍び込む舞人さんと浜田君。じーさんたちに敵を引きつけておいてもらい、厄介な塀を無効化することにしたのです。
「こういうアジトには、敵に侵入されたときに備えて自爆装置があるはずなんだ、それを作動させれば……」
と浜田君。え、そこまで? 塀を弄るだけじゃないの? 容赦ないぜ。。というわけで、自爆装置は5分後に起動するようセットされました。浜田君がさっくりプログラムを改ざんして。いつも思うんですが、浜田君凄すぎね?

一方、囮の一揆部隊はあっさり捕まっておりました。じーさまといずみさん、そしてやっぱりバイトに来ていたサリーたんと、弟のテツヤ君も。大江戸ランドなので、首謀者は磔です。時代劇でおなじみの、高い十字架に縄でくくられて、くすぐりの刑に処されてしまいました。くすぐられたのがじーさまだけなのがちょっと残念というかなんというか。女子をくすぐっちゃうと子供番組的にアレだからですかね。「待てぇい!」とそこへ。仕込みを済ませた舞人さんがやってきました。ちっ、もうちょっと遅ければ女子のくすぐりが……ってもういいか、いや、実はそういう属性はないのでどうでもいいんですけども。まあ、ここで登場しなければ主人公ではありません。そして、とうとうミフネとの一騎打ちです。
ところが、ミフネの腕なのか雑魚から奪った刀だから脆いのか、舞人さんの刀は折れてしまいます。じりじりと追い詰められたそのとき、お城がどかんと爆発しました。呆然とするミフネ。そりゃそうだ、ヤツの夢がいっぱい詰まった天守閣ですもの。ただのアジトじゃないんですのよ。
その隙を突いて、舞人さんは勇者特急隊を呼び、住民を避難させます。自身もマイトカイザーに乗り込みました。ミフネも、怒りに燃えてとっておきのロボを出し、自ら操縦します。先刻の一騎打ちの続きです。赤々と燃える城をバックに、動輪剣VS二刀流。さすがの舞人さんも剣の腕では劣るのか、動輪剣を飛ばされてしまうのです。あわや絶体絶命となったそのとき、ミフネは燃える城を見てしまいました。テーマパークのものとはいえ、夢にまで見た天守閣、それが今、燃え尽きようとしている……。ミフネの胸に何が去来したのかは判りませんが、そこに隙ができました。その隙を、見逃さない舞人さんではありません。「油断大敵!」動輪剣は、ショーグンロボの腹を深々と貫いたのでした。さすが舞人さん容赦ねぇなっつうか、ちょっとミフネに同情しました。

「これでヤツも悪いことは出来ないだろう……」燃え落ちた城跡で舞人さんは呟きますが。身一つで逃げ延びたミフネは、復讐を誓っておりました。

次回は総集編のようです。ドキュメンタリー番組風?