ケ・セラ・セラ

キャスト:氷室秀一郎(塩沢兼人)×邑藤人(堀川亮)・二階堂英雄(堀内賢雄)×邑藤人(堀川亮)・野崎邦紘(檜山修之)・ 二階堂将来(柏倉つとむ)他

うむ。濃いな。ジャケ絵はかわいらしいんですが、脳内映像はbelneさんでした。音楽がムーディーで重厚だからかな。

お話は、大学生の受が教授やら教授の友人やらに襲われまくる話。いわゆる総受というやつだ。ステキな殿方に上手に誘われていやん抵抗できないっと、そんな話ですよ。微妙にレディコミ風味だと思う。

90年代モノなので、キャストが半端なく豪華です。塩沢兼人さん・堀川りょうさん・堀内賢雄さん。んで、檜山さんと柏倉つとむさん。賢雄さんは今でもよく聞くのであれですが、堀川さんのは初めてだな。瞬……。

藤人@堀川さんは、建築科の大学生。氷室教授@塩沢さんに誘われ、彫刻のモデルを引き受ける。無論、全裸だ。まあ、BLで攻の前で脱いじゃったらすることはひとつ。さっくり襲われてしまいます。氷室に見惚れているうちにあれよあれよとそういう関係になっちゃった感じで、古い話にありがちな「男なのに」はまったくないです。藤人君、モラトリアム全開という感じで、その後もじゃんじゃん襲われております。氷室の友人のシャッチョさんやら、その息子やら。いや、息子は中学生なので無自覚襲い受ですが。
藤人君は、氷室にも、そしてその友人の会社社長・二階堂@賢雄さんにもこう言われます。
「私に任せておけば悪いようにはしないよ」
そして、その通りに任せてしまう。彼のモットーは「ケ・セラ・セラ」。なるようになるさ、です。自分の意思というものが希薄で、与えられるものはみんな良いものだと捉えて疑わず。そんな風だからこそみなに愛されると、そういうつくりです。
うん、ぶっちゃけマゾだな。プレイじゃないほうのM。別に縛ったり叩いたりしてるわけじゃないですよ。Mに痛そうなこと・恥ずかしいことを強要するのがSMプレイ、支配者と被支配者の関係がSM。理想のMとは人形で、自分の意思は必要がなく。そしてSは、所有物であるMを心を尽くして愛玩する。氷室と藤人は、そういうSM関係なように思います。

堀川さんいろっぺかったなー。熱に浮かされたように震える吐息と、気を抜いた隙に漏れる嬌声と。息を呑む音すらエロい。リアルだなっつか、忠実だよな。腐女子の書く文章表現に。

塩沢さんはいつ聞いてもお見事。そういや、台詞を全部無声音で言う人ってあんまいないな。なんでだろ? 閨の睦言なんだから、そりゃ囁くだろって話ですが。リップノイズとか、そういう関係の話なんだろうか。

賢雄さんはとてもダンディな社長さんを。いい声だなあ。倣岸不遜でやりたい放題だけど、余裕があるのでイヤミにならない。上に立つ者って感じだよな。

檜山さんは、藤人君の同級生の野心家の青年・野崎。二階堂社長の娘をたぶらかして、大会社でいいポジションを得ようと頑張っております。CDでは藤人君の普通の友人ですが、藤人君が社長のお気に入りになった途端狙い始めたりして、なかなか計算高い男。

柏倉さんは中学生の坊ちゃまを。病弱で実年齢より子供っぽい。無知を武器に藤人にあんなことをお願いしちゃったりw 周囲からもいい攻に育つことを期待されちゃってるんだぜ。

フリトが面白かったです。大先輩に大人しくいじられる檜山さんというのがものめずらしいw 他のはわりかし先輩でも檜山さんのツッコミ待ちだったりするから。つい叫んで「うるさい」言われてます。後に仕事がつっかえているらしく、そこを突付かれてみたり。
塩沢さんはどうしてこうかなあw 喘ぎ声に言及するなよう。気まずいじゃないかw
塩沢さんは、こういうものをね、「仕事」を、じゃなくて、「芝居」を楽しんでやってくれてる感じがなんともありがたく。他にもそういう方はたくさんいますが、やはり黎明期からってことで。パイオニアだよなあ。
一応参加メンバーの序列としては、塩沢さん>賢雄さん・堀川さん>>柏倉さん>檜山さんて感じ? 賢雄さんが塩沢さんより年嵩の役をやるのを気にしてるw そもそも賢雄さんが先輩とフリートークしてるのが珍しいよな。古いものにはフリトなしも多いから。そんなこんなで面白いですw